2022年度計算機演習A・B

第7回レポート課題の解説

演習1

関数 $f(x)=\sqrt{x}+1$ に対して、区間 $[0,1]$ の分割数 $3$ の等分割に関する左リーマン和と右リーマン和を考えます。

それぞれに対応する図を描画した上で値を求めるコードを書いてください。

演習2

関数 $f(x)=\sqrt{x}+1$ に対して、区間 $[0,1]$ の分割数 $n$ の等分割に関する左リーマン和と右リーマン和を考えます。

左リーマン和に対応する図を描画する関数draw_left_RS(n)、左リーマン和の値を返す関数calc_left_RS(n)、右リーマン和に対応する図を描画する関数draw_right_RS(n)、右リーマン和の値を返す関数calc_right_RS(n)を定義してください。

$n=4$ の場合に、定義したそれぞれの関数を呼び出してください。

演習3(オプション)

関数 $f(x)=\sqrt{x}+1$ に対して、区間 $[0,1]$ の分割数 $n$ の等分割に関する左リーマン和と右リーマン和を考えます。

右リーマン和と左リーマン和の差が $0.01$ より小さくなるような最小の $n$ を求めるコードを書いてください。

また、定積分 $\int_0^1 \left(\sqrt{x}+1\right)\,dx$ の値を手計算で求め、上記の $n$ に対する左リーマン和および右リーマン和の値と比較して考察してください。

(考察)

定積分の値を計算すると

$$ \int_0^1 \left(\sqrt{x}+1\right)\,dx=\left[\frac{2}{3}x^{\frac{3}{2}}+x\right]_0^1=\frac{5}{3}=1.666\cdots $$

であるから、分割数 $100$ の等分割に関して

$$ \text{(左リーマン和)}<\int_0^1 \left(\sqrt{x}+1\right)\,dx<\text{(右リーマン和)} $$

が成り立つことが分かる。関数 $f(x)=\sqrt{x}+1$ は単調増加なので、これは理論的な結果に一致している。

また、次のコードから分かるように、右リーマン和の方が定積分の値に近い。関数 $f(x)=\sqrt{x}+1$ は単調増加かつ上に凸なので、これは一般の $n$ についても成り立つと言える。上で描画した $n=4$ の場合の図を見ると、その理由が分かりやすい。